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MATSUFUJI マツフジ

 「クリスチャンダダ(CHRISTIAN DADA)」(以下、ダダ)で経験を積んだ松藤勉が、自身のメンズブランド「マツフジ(MATSUFUJI)」を立ち上げた。2020-21年秋冬シーズンから展開をスタートする。

 

松藤は上田安子服飾専門学校で学び、2014年春夏コレクションからダダに参加してPRから企画、生産、販売まで多岐にわたってサポート。ブランドでは特にメンズのMDや生地開発の知見を深められたという。ダダは2020年1月をもって休止し、南青山の直営店やオンラインストアは閉店。スタッフとして約7年間在籍した松藤は、ダダが休止した後も服作りを継続したいと考え、自身のブランドを立ち上げることを決めたという。

 

マツフジでは「個人の特有性を認識できる衣服」をコンセプトに掲げ、松藤と同年代の30代半ばをメインターゲットに据える。「(冠婚葬祭以外の)メンズ服は全て"ワークウェア"だと思う」という松藤の考えのもと、ディテールや素材の面でワークウェアのアイデアを随所に採用。また、ダダではグラフィックや装飾を大々的に取り入れていたが、松藤自身は素材を使った遊びや、シンプルなデザインにひねりを加えたアイテムが得意だといい、ミニマルな色使いにまとめている。

 

ジャケットのラペルの裏地に使われるマイクロファイバーを表地に使ったアウターは、裏地に防風機能を備えることで軽量かつ防寒性を向上。セットアップで着用できるウール100%のジャケットとパンツには、シワがつきにくい加工を施したほかユーティリティポケットを配した。このほか、セーターにはイタリアの老舗ゼニアバルファ社のウール100%素材を使用。深いグリーンとブルーのコントラストで落ち着いた雰囲気に仕上げつつも袖の一部を手編みにし、表情を生んでいる。ヘビーウェイトの生地を使ったTシャツは襟から左右の肩にかけてタコバインダーで縫製するなど、細部まで作り込んだ。10型前後と比較的小規模のスタートだが、各アイテム2サイズを展開し、カラーラインナップを複数用意することでコレクション全体を充実させている。価格はジャケットで5万円台〜7万円台、シャツが2万円台。

 

松藤はブランドの今後について、「ダダで関係性を構築した工場やスタッフからは『海外進出も目指したらどうか』と鼓舞されるが、2、3シーズンは10型程度でまずは生産と販売を安定させたい」とまずは足場を固めることに注力。東京での展示会終了後、地元の大阪で巡回展を行う予定だ。